放射線技術科

放射線技術科から皆様へ

放射線科では、各検査室の待ち合い廊下に検査説明のパネル展示を行っています。
患者さんに検査を良く理解していただき、よりスムーズにまた少しでも苦痛をやわらげ、安心して検査を受けていただこうと考えています。残念ながら、未だに大部分の患者さんは「放射線」という言葉に対し「被曝・白血病・奇形…」など、決して良いイメージをお持ちではありません。我々放射線技師も毎日の業務の中で患者さんからのいろいろな質問、相談、ご意見をいただく事がよくあります。私たちは、このような患者さん達の不安や疑問に的確にお答えできるよう、また進歩し続ける放射線技術を素早く取り入れ、日々の業務に生かせるように、技術学会や勉強会には積極的に参加するよう心がけています。

* 医療設備

一般撮影装置 2台
歯科用パノラマ撮影装置 1台
骨密度測定装置 1台
乳房撮影装置 1台
多目的デジタルX線TV装置(DSA) 1台
X線TV撮影装置 1台
X線CT(ヘリカルCT)装置 1台
MR(1.5テスラ)装置 1台
ワークステーション 1台
外科用CアームX線TV装置 2台
ポータブル撮影装置 1台

■一般撮影

 レントゲンといえば、真っ先に思い浮かぶのがこの撮影とおもわれます。胸部や腹部をはじめ身体中のあらゆる部位の写真もこちらで撮影します。

■歯科用パノラマ撮影装置

 歯の写真を撮影する専用の装置です。機械が顔のまわりをぐるりと回転し、顎と歯の全体像が1枚の写真として得られます。


【歯のパノラマ写真】

■マンモグラフ影装装置

 乳房を上下および斜め上下から圧迫し、腫瘍の有無や大きさ、形、石灰化といった状態を調べます。見逃しのない画像を撮影するには、立体的な乳房をなるべく薄く平たくすることが大切です。 圧迫する時は多少の痛みを伴いますが、我慢できない時は技師に声をかけてください。
※ 女性技師による撮影を施行しています。

■汎用型X線TV装置

 消化管の造影検査から血管造影まで幅広く活用しています。透視撮影のためリアルタイムで画像を観ながら検査や処置を行います。


【上肢の血管造影(DSA)】

■骨密度測定

 骨粗鬆症の診断に用いられる検査です。 当院の放射線科では、精密な検査を行うために腰椎と股関節の2ヶ所の骨密度を計測しています。


【腰椎の測定結果】

【 股関節の測定結果】

■X線TV装置

 内視鏡検査における造影検査や整形外科での整復、泌尿器科の造影検査など、幅広く活用されています。こちらも透視下で処置や治療を行う際に用いられます。

 写真 1)バリウムを用いた検診時に撮影される胃の写真
 写真 2)内視鏡により造影剤を用いて総胆管や膵管を描出するERCP

【写真 1)】

【写真 2)】

■CT検査

 コンピュータ断層装置のことで、ガントリという大きな円形の機械に寝台ごと入り、目的とする部分にX線をあてて撮影します。撮影したデータをコンピュータで処理することにより、身体の断面や内臓、血管、骨などの3D画像が得られます。体の内部をさまざまな角度からみることができるため、レントゲンではわからない病気を見つけることができます。


【腹部 CT】

【胸部 CT】

【下肢動脈】

【頭部CTA】

【腰椎】

【手関節】

■MRI検査

 最新鋭MRI装置が導入されました
当院では2012年12月にドイツ・シーメンス社製 MRI Aera 1.5T(テスラ)を導入いたしました。 これにより従来の装置と比べ、短時間に高画質、高鮮鋭度の画像が提供出来るようになり、より精度の高い画像診断が可能となりました。 撮影スピードもアップし、短時間の検査により患者様の負担を軽減できます。 また、従来の装置ではガントリー(本体の大きなトンネル)の奥行きが約200 cm以上あり長く威圧感がありましたが、クラス最短の145cmと短くコンパクトになり、トンネルの大きさが70cmと広くなったことで今まで圧迫感を感じていた患者様の負担を大幅に軽減することが可能となりました。また、世界最先端の技術により体動、呼吸や内臓などの動きの影響を抑えることができ、ブレのない画像を得ることができるようになりました。また、トンネル内や検査室内はLED照明を使用し明るく清潔感のある部屋になっており、安心して検査を受けていただけます。


【動き補正なし】

【動き補正あり】

【動き補正あり】
a) MRI検査とは

MRIとはMagnetic(磁気) Resonance(共鳴)Imaging(画像)の略です。 強力な磁石(1.5テスラ=15,000ガウス)のトンネルの中に入っていただき、磁力と電波を使ってからだの臓器や血管を映しだす検査です。任意の方向から直接断層像を得られ、病気の箇所を立体的に観ることもでき、様々な診療科において重要な役割を占めています。CT検査等とは違いX線被曝がないことも大きな利点です。 また、装置が更新され、造影剤を使用しなくても脳血管や腹部血管、広範囲な下肢血管が撮像できるようになり、動脈瘤、動静脈奇形、血管狭窄など様々な病気の早期発見、診断にMRIは大変有効とされています。 検査時間は20分から60分ほどで終了します。
検査の注意
次のような方はMRI検査を受けられないことがあります。必ず主治医や担当者に申し出てください。
心臓ペースメーカーを植え込んでいる方
※ペースメーカーを使用している方は検査が受けられないのはもちろん、付き添いなどでMRI検査室に入ることもできません。ご注意ください。
MRI対応のペースメーカーの方も当院では検査はできません。
VPシャントのある方
人工内耳をご使用の方
・チタン製以外の脳動脈瘤クリップが入っている方
・磁力で付着する義眼
眼の中に金属片の入っている可能性のある方
・血管へのステント挿入手術を8週間以内に受けられた方
・MR対応でない人工関節骨をボルトなどで固定している方
・顔やからだにいれずみを入れている方
妊娠されている方
閉所恐怖症の方
などですが、不明な点は、担当者までお問い合わせください。

MRI装置は非常に強力な磁石(1.5テスラ)を使用しているので、金属製品や精密機械は持ち込むことができません。その他安全に検査を受けていただくために、次のことにご注意ください。
身につけている金属や機械、カード類はすべて外してください。
補聴器、腕時計、携帯電話、カギ、ペン、財布、入れ歯、かつら、ヘアピン、めがね、ピアス、ボディピアス、指輪、ネックレス、ペンダント、ブレスレットなどのアクセサリー、エレキバン、使い捨てカイロ、金属製のボタン、ファスナーのついた衣類、金属製の繊維を含んだ衣類、金属製のホック、ワイヤー入りブラジャーなどの金属のついた下着、ボディスーツ、磁気カード類(キャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカードなど)
カラーコンタクトレンズは検査の前にとりはずしてください。
マスカラ、アイシャドウなどの化粧は検査前に落としてください。
検査前に、簡単な問診、金属チェックなどさせていただきます。ご協力よろしくお願いします。
予約のときにお渡しする「MR検査を受ける方へ」をお読みください。

b) 検査中の注意

・検査の部位に応じてコイルと呼ぶ撮影器具を装着します。
・検査時間は、20分~60分くらいです。検査の部位や目的に応じて検査時間は異なります。だいたいの検査時間は検査前にお伝えします。
・検査中は非常にやかましい音がします。少しでも音を和らげるためにヘッドホンをお渡しします。ヘッドホンからは音楽を流すこともできます。 ただし検査の部位・目的によってはヘッドホンが使用できなかたたり、使えても音楽が流せないこともあります
・検査中も患者様とスタッフは、マイクを通していつでも会話することができますが、もし検査の音が大きくて声が聞き取れないときのために、ゴム製のナースコール(呼び鈴)をお渡しします。 ゴムの球の部分を握れば操作室のブザーがなるようになっていますので、ご用の際には遠慮なくお呼びください
・検査により、息を止めたり、お薬を飲んでいただいたり、造影剤というお薬を注射することもあります。

c) 当院のMRI画像の一例

頭部領域脳梗塞の初期段階での診断はMRIが最も有効であり、従来の装置では判断できなかった急性期脳梗塞等の診断が可能になりました。 左の画像の白いところが、急性期の脳梗塞です。


【頭部DWI画像】

【頭部DWI画像】

MRI検査では造影剤を使用しないで、血液の流れから血管を写し出すことが可能です。


【頭部MRA画像】

【頭部MRA画像】

血液の流れを写すことも可能になりました。(非造影)

腹部領域左の画像は水からの信号を画像化することにより、胆嚢や胆管、膵管を描出した画像です。 この検査では、胆石、胆管の拡張や狭窄などを診断することができる検査で、MRCPといいます。 右の画像は肝臓の検査でEOBという造影剤を注射しながら行います。


【MRCP画像】

【EOB造影】

MRI検査では、造影剤を使用しないで、血液の流れを利用して血管を描出することが可能です。 下の画像は腹部の血管の画像で、腎臓の動脈を写したものです。造影剤などの薬は使っていません。


【ワークステーションでVR処理】

【MIP画像】

【下肢の動脈(非造影)】

【胸椎から腰椎2回分を繋ぎ合せ】

■ワークステーション

 撮影された画像の管理や3D画像の作成等を行います。3D画像は骨や血管および臓器の位置関係など、患者さまへの説明によく活用されます。


【全身の3D画像】

【体脂肪の計測】

【腎腫瘍の3D画像】

■ポータブル撮影

 撮影室に行くことが困難な患者さまに対して、病棟でのレントゲン撮影を行う際に用いる撮影装置です。また、手術後の撮影にも使用しています。

■外科用イメージ

 手術中にX線で人体を透視しながら施行する泌尿器科や整形外科の手術に使用されます。(写真 : 手術室にて)

診療科・部門
長浜市立 湖北病院

住所
〒529-0493
滋賀県長浜市
 木之本町黒田1221番地

TEL:0749-82-3315(代表)

FAX:0749-82-4877

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